
今回は、某不動産サイトでコラムを執筆されている「元地方銀行員大家さん」について紹介します。
プロフィール文を引用↓
引用
30代後半のサラリーマン大家です。
東海三県の某地方銀行に約8年間勤務し、現在は不動産関連会社に勤めています。
私は現在、田舎の築古戸建のみ22戸を所有しており、すべて現金買いの無抵当・無借金経営をしております。
22物件の平均ネット利回りは30%以上、Min20%~Max56%にて運営しています。全物件を激戦区である東海三県にて保有しております。
家賃収入は1,400万ほどです。
私は、そんな不動産投資の中でも、最もローリスク且つ実質的な手残りが多い投資が築古戸建投資だと考えております。
以下、感想が続く。
現金のみでボロ戸建てを買って無借金経営、DIYで経費削減し低家賃で入居の長期化

冒頭でプロフィールを引用したが、特筆すべき点は、元銀行員で金融の知識をお持ちにもかかわらず融資を一切使わない点である。
東海地方の田園風景が広がる市街化調整区域の田舎エリアでボロ戸建てを激安で仕入れて、DIYで極力経費を削減し、地域最安値で賃貸に出して入居の長期化を狙うスタイルのようだ。
純資産もキャッシュフローも十分にあるため、融資による一棟アパートに進むかと思いきや、管理の手間や入居サイクルを考えて戸建てを買い進めているとのこと。
一般的なコラムでよく目にする、
- 借金はレバレッジなんだから、借金したもん勝ち
- とにかく規模拡大して家賃収入を少しでも増やすことが大事
- 借金額(〇億円!)を目標にしている
そういった、とにかくレバレッジを利かす手法とは真逆で、大変興味を持ちました。
とはいえ、僕とは住んでいるエリアも物件価格も属性も目標も違うので、自分事に当てはめ、自分にとって最適な方法をこのブログにまとめておきたいと思う。
大いに参考にさせていただいていること

自分が後から読み返せるように元記事をリンクしておきます。
財務をよく理解した上で、不動産投資には取り組むべき
業者やセミナー主催者にはめ込まれる形でクソ物件を買わないように気を付けたい。
財務に関する具体的な視点がこちら。
①資産から負債を引いた純資産はかなり保守的に見て、いくらになるのか?
②借入金返済や所得税・住民税等、支払いすべてを控除した、実質的な手残りは年間いくらになるのか?
①はBS思考、②はPL思考に関して。
物件をたくさん持っていても、借金が同額であれば、純資産の部の数字が悪くなり、銀行の格付けも悪くなってしまう。
②のPL思考に関しては、借入金返済やその他経費を差し引き、そして減価償却が切れたあとの税金もシミュレーションしておくことが重要だ。

>>【実践大家コラム】不動産投資は事業であり、経営者になること
>>【実践大家コラム】楽待編集部の「『持たざる者』たちの融資奮闘記」を読んで。
銀行内部でのキャッシュフローの考え方
銀行内部で融資の審査をするときの物件評価(キャッシュフローの計算)について段階ごとに理解できた。
「家賃収入」から、固定資産税や修繕費、管理費などの「運営経費」を引く。
そこからさらに、銀行への「元利返済金」を引く。
その結果、一番下に出てくる数字が「収支尻」。
租税公課は固定資産税のみ、減価償却費は収支尻の引き算にはなく、独立して外にある。
ということで自分も、所有物件の運営経費や返済金、減価償却費をExcelで整理してリアルな通帳の手残りを評価した。
次回買う物件からは、利回りだけでなく、返済金や減価償却費もしっかり事前に計算して予想しておきたい。(激安ボロ戸建ての現金買い手法なら、あんまり細かなシミュレーションしても意味ない気持ちもわかるが、いずれアパート買うときの練習だと思って収支計算は綿密に行っておきたい。)
融資の稟議書
『家賃2割減・金利4%』というような最悪のストレスが重なった場合でも、
- 給与所得
- 他所有物件からの家賃収入
- 現預金残高
から補填可能ということを入念にチェックし、銀行側は貸し倒れしないことを慎重に見極めていることを理解しました。

<<【実践大家コラム】元地方銀行員がガチで書くリアルな稟議書
また、稟議書に対する審査役のツッコミ記事も別であり、融資したくなる人とはどんな人か・どんな物件なのか、なんとなく想像できた。
<<【実践大家コラム】前回のリアルな稟議書に対する審査役のエグいツッコミ
融資一発アウトの基準と謝絶に関して
決算書が「明確な債務超過」かつ「現預金が乏しい」と、時価修正した実態バランス表も作れないとのこと。
自己資金をしっかり貯めて、BSを整えることを意識しよう。全借入の1/4~1/2は現金を常に置いておくことを忘れないようにしたい。
華やかな家賃年収と、債務償還年数のハードル
詳細は記事を読んでいただきたいが、「アパート24棟167室。家賃年収は約9,000万円。税引前CFで約2,200万円。総借入残高は約6億円に対し、現預金は1,000万円」という人の特集に対し、信用格付けを左右する指標が紹介されていた。
総借入6億円を、税金や大規模修繕引当金を差し引いた返済原資1,500万円で割ると債務償還年数は「40年」になる。15年以内を目指したい。
また、借入してレバレッジをかければ、"目標の家賃年収には"早く到達できるかもしれないが、現金が手元にないと「正常先」と評価されず次の融資は難しいようだ。黒字倒産のリスクも高い。。
また、「借入6億円に対して現預金1,000万円(比率わずか1.6%)となると、流動性の観点から評価を押し上げるのは困難。」とのこと。
短い減価償却期間が終了して、現金の出入りは変わっていないのに税金だけ急増しても死なないよう、財務管理をしておきたい。

>>【実践大家コラム】「爆速ハイレバ投資」のリアルな財務リスク
自分は変えようと思ったこと

「元地方銀行員大家さん」のコラムに関して、逆に自分は変えようと思ったことは下記。
- 個人事業主1本ではなく、法人も作る
- 適切な範囲でレバレッジを活用
- 市街化区域の300万円ボロ戸建て
個人事業主1本ではなく、法人も作る

個人事業主の青色申告控除で65万円は使えると思いますが、経費も少ないため、かなりの高税率になっているとのこと。サラリーマン給与手取り30万円にONされるので、おそらく最高税率?稼いだお金の半分税金で持ってかれると思うとげんなりします。。
ということで僕は累進課税ではなく一律の法人税にすべく法人を設立した。不動産賃貸業で独立したいのもあるので、将来自分に払う給与を自分で決めて社会保険料をコントロールしたい狙いもある。
適切な範囲でレバレッジを活用
完全無借金経営をするとして、元手たったの500万円では、ボロ戸建て1,2戸買ったら必ず1,2年はストップしてしまう。。
10年計画で勤め人卒業を目指すので、自己資本比率と相談しながら主に公庫で融資を受けていきたい。
市街化区域の300万円ボロ戸建て
「元地方銀行員大家さん」は、「坪単価10万円を切るような、周り一面に田園風景が広がる市街化調整区域の田舎町」でボロ戸建てを買っているとのこと。
自分がドミナントしていきたいエリアは兵庫県の加古川市~神戸市の沿線沿い。
当然、市街化区域になるし、ボロい戸建てでも安くて300万円前後はかかる。ほどほどにぼろいボロ戸建てを買って最低限住めるように改造して、ほどほどの家賃で回していこうと思う。少しずつ業者さんから「紹介案件」が増えたらいいなと思う。
>>【実践大家コラム】コラムに惑わされない!自分に合った「絶対負けない」投資法
では、どんなBSを作っていくか

「元地方銀行員大家さん」のコラムを読んで、銀行内部の考え方に関して大変勉強になりました。

僕はやはり"適切な範囲"でレバレッジをかけたい。では自分の場合はどんなBSを作っていくか?コラム内で紹介されていた指標を整理していこうと思う。
- 自己資本比率(総資産に対して純資産)は30%~50%をキープしたい。多い方が安全だが、逆にレバレッジが利いていないということでもある。20%は少なすぎるので一気に借りすぎない。
- 流動負債の1.5~2倍の現金は常に置いておく。綱渡りの資金繰りは避ける。
- 総負債額の20%以上の現金は常に持っておく。すぐ現金化できない固定資産ばかりだと、返済が滞る可能性があるので。
- 固定資産の10%以上の現金は常に置いておく。修繕や空室に備える。固定資産は購入価格を目安としよう。
- 債務償還年数 = {総借入 – 現預金}÷{当期純利益 + 減価償却費}が15年以下、悪くとも20年以下に収める。借入期間は長すぎず短すぎず。現金はNISAで回すのではなく法人口座に置いておく。
>>【実践大家コラム】プロパー融資の金利交渉で銀行が重視する財務基準
ボロ戸建てを買う時も、「最悪現金で決済できますが、融資打診したいので1か月お時間いただけませんか?契約と手付金は今週中でも大丈夫です」と言って、まずは公庫に物件代金の融資打診をしようと思う。
ダメだったとしても、修繕の領収書を持っていってリフォームローンは狙っていくつもり。
まとめ:ローン返済で頭を抱えて夜眠れなくなることは避ける

5千万円の築浅アパートを表面利回り7%で買ったとして、思ったより、
- 空室が多い
- 金利負担が増える
- 管理費が高い
などで資金繰りに頭を悩ませたくない。夜安心してぐっすりと眠りたい。
とはいえ、あと9年でCF月90万円を達成し勤め人卒業したいので、現金500万円を有効に使いたい。自己資本比率や債務償還年数を加味しながら常にBSを見つつ、適切な範囲でレバレッジをかけていきたいと思う。

多少利回りが低くても、長期間保有することでカバーしていきたい。
今回は気合の入った長文になってしまったが、融資に対する銀行員の考え方が学べるので、ぜひ「元地方銀行員大家さん」の元記事を読んでほしい。僕は今2周目に入った。